EDITORIAL
簡易検査とその評価
小酒井 望
1
1順大臨床病理
pp.1777-1779
発行日 1965年12月10日
Published Date 1965/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201086
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「簡易臨床検査のやり方と評価」は本誌創刊号以来本号まで21回連載されて来たし,またグラフにもしばしば簡易検査が紹介されて来た。実地診療における簡易検査の重要性がますます増加する今日,簡易検査の正しい使い方を普及することは,本誌の性格からいつても,重要と考えられたからに外ならない。
「簡易臨床検査のやり方と評価」は毎号1ページの読切り連載の形式をとり,筆者は臨床検査の第一線に活躍する人々が当つている。字数に制限があるためか,意を尽せないうらみもあり,また取上げるテーマの相違もあつて,筆者によつてアクセントの置き方がかなり相違している。「検査は面倒だ。設備がいる。時間がかかるとお考えですが,ほらこうすると簡単にできますよ。それに中央検査室でやつている面倒な方法と比べて,こんなに成績がよく一致しますよ。」という解説の仕方もあれば,「ちよつとお待ちなさい。宣伝通り受取つてはいけませんよ。簡易検査はやはり簡易検査です。限界があります。それを承知で使わないと,とんでもないことになりますよ」という説明もある。「評価」にもこのように一見うらはらにみえるような評価の仕方があるものである。しかしよく考えてみると,どの簡易検査も,うらはらな二つの面をもつているのであるから,どちらにアクセントをおくかによつて一方の面が強調されることになるのはやむを得まい。
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