特集 放射線部の管理
病院放射線科の機能—特にその実態との関連
塩見 二郎
1
,
小神 俊彦
1
1高松赤十字病院放射線科
pp.41-49
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202119
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序言
現在各病院においての放射線科の運用,機能的考慮は従来のそれと著しく異なり,大きく変わりつつある。又何がしの病院には専任放射線医が配属され,有能な活躍を示している。併しながら我国における放射線医の養成教育過程の外国のそれに比し,著しく異なっていた関係上まだまだ不充分な面が出て来ている様である。近代病院の一要素であるセントラルシステムの興隆に依り放射線科も多分の影響を受けざるを得ない。即わち中央検査部門の中に放射線に依る診断(検査)を拠り所とする意味も含めて配置されるべきとする意見(治療部門は除外して),又放射線科の独立,自主性を基調とする意見等各々まちまちである。確かに放射線医を臨床病理専門医と同じ基盤に考えて運用を委ね,中検制度を大きく確立した方がすべてに便利な面もあり,又中検部とは全く別意義に考え純粋の独立科としてではあるが,専らサービス科的要素を多分に負わせて有利な面も出て来る。此の場合もむしろ臨床病理医の司る検査部と同様の歩調を取る事を前提としている。又内外科の如く完全臨床独立科の形を採る考え方もある。此等の問題については未だはっきりした結論も定まっておらないように感じられる。
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