特集 診療管理
診療センターおよびグループ・プラクティス(医師会病院)について
島内 武文
1
,
前田 信雄
1
,
車田 松三郎
1
1東北大学医学部病院管理学教室
pp.39-44
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202055
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医療の発展の方向
医療のたどる段階をみると(第1表),中世に行われた様な経験的宗教的で看護を主とした伝統的医療が,近代における医学の発達によって今日の科学的医療となり,ここに専門的な技術や設備が重要な役割をもつ様になってきている。そこに病院というものが,従来は身よりのない一部の人々のための単なる収容所であったものから,あらたに一般に病める人のための医療の場所として発展することとなった。
しかし今日においては,あまりにも専門分化した科学的医療が真に患者にとって利用されるために,これを患者を中心として総合して用意し,また今日単なる治療によっては充分でない成人病その他について,予防乃至早期診療を行い,すすんで患者が社会に復帰するまでのリハビリテイションに至る一貫的医療を与える様にすることが,積極的に考えられ工夫されてきた。この総合一貫的医療の一つの試みとしては,後にのべる診療センターが重要な意義をもっている。
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