グラフ
輸血—採血から心臓手術まで
pp.49-56
発行日 1962年1月1日
Published Date 1962/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201874
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栄介ちゃんに、恵子さんに、もっと血液をと、全国的に愛の献血運動が展開されたのが去年の8月、酷暑の頃であった。Rhマイナスという稀な血液の入手問題が、わが国の輸血の無方策を難じ、有志者登録方式の必要性の声となり、さらに、血液銀行の性格を掘り下げて、銀行らしく預血を、また善意の献血をという問題にも及び、買血方式の現在を外道なりとするに至った。このような善き社会を造ろうとする運動が、どうか三日坊主に終らぬようにと祈らざるを得ない。これ果たして、書生論であろうか。否、福島県では、既に、これを現実化している。
輸血の常識は、保存血液の常識となり、それが、大手術、特に心臓手術などの場合には、多量の血液を必要とするために、量の問題だけでも、保存血液ならではということになった。保存血液の貢献は、誠に偉大である。
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