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米国における成人病対策の現況—高血圧症・心臟病
山形 操六
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1厚生省公衆衛生局企画課
pp.393-399
発行日 1961年6月1日
Published Date 1961/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201804
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I.緒言
近年わが国でも成人病対策は重要な課題となり,病院診療所等の医療問題は勿論,保健所等においても早期発見の手段が種々考按され,公衆衛生行政にとり入れようとする動きがみられることは,必然の傾向とみるべきであろう。結核予防の行政面で成功した如く,何とかして成人病の各疾患についても,早期発見法の適切な方法を確立し,さらにこれを集団検診に応用することによつて,効果をあげることに成功するならば,少くとも現在高率な死亡率をあげて毎年国民死亡の首位の座をしめている成人病の増加をくいとめることも可能になるのではなかろうかと,ひそかに期待している者の一人である。
著者は1959年10月より1960年の4月までの期間,WHO (世界保健機構)のフェローとして欧米各地を歴訪し,わが国の成人病対策の参考とすべく諸外国の慢性疾病対策を主として衛生行政面の立場から視察する機会を得た。
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