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病院の倫理
金子 敏輔
1
1神戸医科大学
pp.39-45
発行日 1961年1月1日
Published Date 1961/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201753
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緒言
人間の社会には倫理が支配し,そのガイドによつて社会生活の秩序が保たれている。組織化された近代病院はその性格の公共性と社会性を強く発揮し組織の充実は機能を益々拡大しつつある。それにともない多数の勤務者の集団となり高度に複雑化した内容をもつている。単に医師,看護婦および患者のグループの集合からはなれ,病院内の各医療および準医療専門職業の集団は医療面の機能を高度に発展するため,その管理は,高度の経営学的運営が要求されるのである。従つて,このような組織の中にある集団で,しかも基本的に病院内に専門職として勤務するものはそれが医師や看護婦でなかろうが,医療専門職とみてよいのである。故に専門職には基本的倫理観が当然成立する,また,その組織の中の人間がどうあるべきかということが人間関係向上と医療向上の見地から倫理的に認識されなければならない。
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