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病院内における赤痢発生とその反省
村田 四郎
1
,
足立 茂
1
,
岡本 季彦
1
,
赤坂 裕三
1
1財団法人三ツ池病院
pp.475-481
発行日 1960年7月1日
Published Date 1960/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201680
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I.まえがき
より良き病院管理は,直接間接に患者の診療に重大な意味を持つものであつて,病院の当事者にとつては実に大切な事柄である。幸に近時,病院分類検査のこともあつて,漸やく其重要性が当事者間に認識されてきたようである。
然し乍ら,唯検査の基準に沿うことに,注意をそそがれる結果,形の上で整つただけでは意味がなく,あく迄も患者にいい作用を及ぼす様な管理となることに,当事者としては留意することが肝要であることは云う迄もない。職員の定数が充足されて居り,設備が基準に合致していたとしても,患者にはよき作用を及ぼすのでなければ,よき病院管理が行われていると云うわけにはゆかず,基準等の形にあらわれるものの外に,形に見えぬ管理がより大切であることに思いを致さねばなるまい。その形に見えない管理上の大切なこととしては,医師看護婦の倫理に始まり,患者の衛生教育に至る迄,数多くの問題があるが,夫等はしばらく措き,院内に法定伝染病の発生を見るが如きも,管理面に欠くる所があると断じてさしつかえない。
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