--------------------
病床管理に役立つ伝票事務合理化の一考察
安田 幸男
1
1樋口胃腸病院
pp.407-409
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201242
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
病院の事務所に於て病棟の病床を管理する事は非常に重要な事であるにも拘らず殆んど病棟主任に任せきりで事務所に於て病床の使用状態を適確に把握して居る病院は少ないのでないかと思われます。例えば事務所にて其の日の病床使用状態即ち何病棟何号室に誰々が入院して居り何病床が空いて居ると云う事が確実に即答出来る所は多くない様です。此の事は単に患者訪問客へのサービスに関係するばかりでなく病院の管理上にも大きな影響を与える物と思います。病床の管理が不充分であれば来訪者に対し不必要な不快感を与えるばかりでなく空病床があるにも拘らず急救患者を断つたり廊下に収容したりする不都合が生じます。或は病床を各棟で専有すると云う様な状態にも立到り病床の中央管理はほとんど出来なくなります。病院を訪問する見舞客が時々遭遇する最も不愉快な事は受付に於て直ちに入院患者の病室を明示してくれない事であります。此の第一の印象により此の病院がよく行届いて居るかどうかを判断されても止むを得ない事だと思います。病院のサービス向上が喧ましく叫ばれて居る時大病院に於てすら目的の患者の病室を訪ずれるまで半日を要したと云う例は少なくない様です。此の連絡が不充分になる原因は特に外科的病院に於ては病状の急変,入院期間の短い事等にもよりますが最も根本をなすものは入退転室の事務処理が拙劣で其れに対し何等改善の考慮が払われて居ない為であります。
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.