交見室
垣添先生のご質問にお答えします,他
三木 誠
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1東京医科大学泌尿器科
pp.660-661
発行日 1988年7月20日
Published Date 1988/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204799
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1)経尿道的内視鏡検査の適応の項で「尿管の閉塞性病変がある場合も適応となるが,その部の腫瘍のうたがいがあれば,拡張して内視鏡を挿入するようなことはさけねばならない」と記しましたように,先生のご質問である「下部尿管に浸潤性の尿管癌がある例」では,経尿道的内視鏡検査の対象とはなりにくいのです。また「経皮的腎盂撮影を施行の後,軟性腎盂鏡を尿管まで送りこんで生検すること」もありません。無機能腎となるような浸潤性の尿管癌が疑われたら,内視鏡検査の適応外と考えます。
2)ご指摘の症例は,腫瘍(右端)と充血浮腫を呈した胃盂粘膜(左方)の間が狭く,腫瘍を良い角度から立体的にとらえていませんが,肉眼的には明らかに腫瘍と判断できました。現状では,35mmフィルムで撮影した内視鏡写真の直径は4mmです。これを白黒でしかもあの大きさまで拡大(面積で約210倍)しますと,立体感などさらになくなり判断しにくくなることをご理解ください。他の2例は良い角度で腫瘍をとらえております。
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