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日米両国に於ける病院制度の比較(上)—特に根本的に相違する諸点に就いて附.Voluntary hospital systemの日本に於ける可能性の問題に就いて
小林 玄一
pp.70-78
発行日 1957年2月1日
Published Date 1957/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201193
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守屋先生,
お手紙拝見させて頂いて,この上もない嬉しい事に思いました。厚生省が「米国の病院とその病院医師との関係」の研究に乗り出したと云う事は必ずや多くの良き收獲を以つて結果し,日本病院改善への飛躍的な好機を作るものと予想されるからです。勿論,自動車,電話等の文明の利器をふんだんに利用し,今や各家庭の日常必需品に迄こなし切つている米国社会の病院の在り方が,その儘の形で,直ぐ様,日本のどの地域に於いても可能なものとは思いませんが,その応用の如何に依つては相当の地域に於いてその採用が出来,患者と医師と病院の三者に予期以上の利益が斉らされ得るのではないかと思います。
その手始めとして,質疑応答の形式に依つて,こちらの病院の実状を日本の皆様に公開して行こうと云う先生の協同研究の御提案も,なかなか実際的で興味ある行き方だと思いますので,是非協力させて頂きたいものと思つています。亦,小生を故マツク先生に御紹介下さつたのも先生でありました上に,日本に於いてのみならず米国に於いても,日本病院管理学界の権威者として御高名の通つておられる守屋先生との協同研究は,小生にとつて報恩と名誉を兼ねた絶好のチヤンスであると云わねばなりません。
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