特集 Dr. MacEachern
恩師Dr. Malcolm T. MacEachern
小林 玄一
,
落合
pp.13-17
発行日 1956年1月1日
Published Date 1956/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201052
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私がマツク・エツク・ラン先生の名を初めて知つたのは確か1948年の頃かと思う。丁度その頃,私は鎌倉の友人の病院で,その管理に心を砕いていたので,先生の名声と米国に病院管理学と云う学問のある事を聞いて少なからず我が意を強ようしたものだつた。1950年病院管理研修所第二回長期講習を受くるに及び,先生の名著「病院組織と管理」にも初めて接し,亦米国病院管理学の内容をも伺い知る事が出来て,私は長年の宿願が叶つたかのように喜んだ事を覚えている。その後,友人の病院を去つて,鎌倉在住の詩人菊岡久利氏と,鎌倉市に所謂開放式カムユニテイ病院の設立を企画し,その際,一般市民と開業医諸兄の協讃と啓蒙とを兼ねて書いたパンフレツト「市民の病院」中には今読んでも決して正鵠を失していない程度の内容が書かれている迄に私はマツク・エツク・ラン先生方の思想の継承者となつていた。更に私が某米国医師の勧めと亦自分でも,その必要を痛感したので,同病院の設立計画を一時中止し,1951年の暮先生の下へ渡米留学するようになつて,先生と私とめ間には師弟の間柄と云う親密な関係が生ずるようになつた。そもそも当時の私の渡米の目的は上記のように病院設立の前に米国の病院の実際を見る必要を痛感し,米国の病院管理学なるものを目で見て勉強しようと云うに外ならなかつたが,それと同時に先生に会つて見たいと云う念願もかなりなものであつた。
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