視座
恩師を持とう
松本 秀男
1
1慶應義塾大学スポーツ医学総合センター
pp.971-972
発行日 2009年10月25日
Published Date 2009/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101598
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「恩師はいるだけで幸せである.」これは私の恩師の言葉です.「恩師はいると,それなりに大変なことも多い.」と言い返しておきました.
整形外科医はやはり外科医です.したがって,一人前になるためには,知識だけではなく,どうしても技術の習得が必要になります.最近は様々なシミュレーション装置などができていますし,手術手技のトレーニング設備なども発達していて,技術の習得に力を発揮しています.しかし外科医は,やっぱり最後は実際に手術の助手を務めて,先輩の技術を学ばない限り,成長はありえません.そして,今度は先輩に助手に入ってもらって,様々なアドバイスを受けながら手術の執刀医をさせてもらうことで,大きく成長します.「技術は教わるのではなく,盗め!」とよく言われますが,実際は教わるほうがはるかに楽ですし,近道です.ある先生が長い時間をかけて作り上げてきた技術を,「ここはこういう理由でこのようにしている.」と教わるほうが,完成した技だけを横から見て学ぶより,はるかに早く自分のものにできます.
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