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48時間制と病院
橋本 寬敏
1
1聖路加国際病院
pp.2-3
発行日 1954年5月1日
Published Date 1954/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200810
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終戦後に行われた医療保健体制の改革は古い習慣を思い切つて打破して,飛躍的の進歩を促した点では有意義であるが,占領軍の圧追の下に企てられたので,無理なことも多く不快を感じたことも少くなかつた。女名の颱風,旋風が院長を苦しめたこともあつた。
医療法が新に制定されて,病院の機構,設備の改善に寄与したことは確かだが,有床診療所に患者を8時間以上おいてはいかんという制限は誠に無理なものだつた。20床に満たない診療施設の多くは,個人開業医の経営するものであるから,資力にも限りがあり,診療設備も職員も不十分であつて,徹底した病院診療はできないから,『患者を暫時宿らせるに止めて,なるべく早く,診療の設備と人手の充実した病院に移せ』という趣旨なのだつたらう。
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