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"教育機關としての病院"討論會(下)
坂口 康藏
1
,
橋本 寬敏
2
,
原 素行
3
,
河野 靜雄
4
,
守屋 博
5
1國立東京第一病院
2聖路加国際病院
3都立廣尾病院
4厚生省医務局医務課
5病院管理研修所
pp.29-37
発行日 1953年4月1日
Published Date 1953/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200629
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第Ⅱ部 インターン及び醫師の教育(続)
講師原素行
司会守屋博
原 インターンが入つてまいりますと私共は大体1週間位準備教育というのをやつております。ある人がそれにプレインターンコースという名をけてくれましたがインターンの様子をみておりますと,どうも顯微鏡の扱いがよくない,割に近々ですが,私共の事務長から私のところにこういう話がありました。「大学では顯微鏡の使い方を教えないんですか。あまり壊すから……」といいます。もと私共の方ではヒストロギーの実習で顕微鏡の使い方は大体憶えたんですが,近頃は或はインターンというのができたんで,大学の方では病院の方に委しちやうんじやないかという疑いを私共も持たんでもないんであります。でありますから顕微鏡の使い方とか,ハルン・コートの検査の仕方,そういうことを皆で分担して大体1週間で教えております。その中で私の方で特有なことは,もう3・4年前からですけれども看護婦教育という講義を1日やることにしております。これは男の医者が出て看護婦はどういうふうだという話をしてもうまくないと思いまして,それは看護婦に講義をさせるのでございます。これが非常にヒツトでありまして,大学を卒業して自分は医者であると威張つて入つてきたところが「今日の講義は看護婦がします」という。すると「大学の卒業生をつかまえて看護婦が講義するとはけしからん」と不満になる。その不満があとになると非常にいいようであります。
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