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社會保障制度審議會の勤告と醫療機關の整備(その1)
河野 鎭雄
pp.11-14
発行日 1951年3月1日
Published Date 1951/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200287
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社會保障制度の整備確立が視下の急務であるということは,憲法第25條の規定を引合に出すまでもなく,今や常識となつた。そしてまた,醫療問題の解決即ちすべての國民に適正な醫療を確保することが,社會保障制度の最も重要な課題であるということも,今更論のないところである。しかも國民の醫療を確保するためには,これを擔當すべき醫療機關の普及整備を圖らなければならないこともまた贅言を要しない。かくて醫療機關整備の問題は,社會保障制度の不可缺の前提要件であり,現下の急務である。一昨年5月發足した社會保障制度審議會は,一年有半にわたる調査研究の結果を取りまとめ,客年10月内閣總理大臣宛に「社會保障制度に關する勸告」を行つた。今後政府が社會保障制度に關する施策を行うに當つては,この勸告を大に尊重することとなるであろうから,この機會に右勸告の内容を研究しつゝ,醫療機關整備の問題を考えて見ることにしたい。
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