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医療機關と予防衛生
曾田 長宗
1
1厚生省医務局
pp.2-4
発行日 1953年3月1日
Published Date 1953/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200610
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昭和26年の年統計として死因の第1位から第2位に転落した結核は,昭和27年7月以降更らに第3位に落ちたが,その後も順調な下降を続けている。昭和27年の年統計がまとまるのは今月末のことであろうが恐らく7万程度,人口10万に対する死亡率としてほぼ80位になるものと予想される。年統計としての死因順位は前半年において結核が癌その他の惡性新生物より上位にあつたため,第2位を辛うじて保つか第3位に下るか,何とも断言出来かねるが,何れにしても兩者の間に大差はないであろう。唯最近における結核死亡の顕著な減少から推測すれば,本昭和28年には結核死亡が5万台となり,癌その他の惡性新生物に位を譲ることは間違いなく,兎もすれば全心臓にも乗り越えられそうである。新結核患者の屆出数は,死亡の場合と違い,昭和27年6月まで前年同月を常に超過していたのであるが,これも同年7月からは減少に転じ,年統計としても昭和26年1ヵ年の屆出総数590,684に対し,昭和27年は584,871で,僅かではあるが前年よりも下廻る数字となつた。
この勢では昭和28年には,新患者の屆出数でも著しい減少が期待出来そうである。
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