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日本の病院の行き方を考える
吉田 幸雄
1,2
1厚生省醫務局
2病院管理研修所
pp.4-8
発行日 1952年2月1日
Published Date 1952/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200436
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昨秋,幸い私も選ばれて米國病院管理の視察の旅行に上つた。勿論僅か3ヵ月の遍歴で,米國の病院の總てを語る資格を得るには至つたとは決して申上げられる筈はないが,Washingtonで米國政府の病院政策に關する活動,病院建設計畫では比較的進歩的なNorth Carolinaの地方病院視察の3泊4日の自動車旅行,Duke大學附屬病院の1週2間の見學並びにYale大學附屬病院内の1ヵ月の生活,その外Boston,New York,Chicago及びSan Francisco等の有名病院及び病院關係機關の訪問等の經驗を得て,大體米國病院の歩み方については認識を得る事が出來たように思う。特にYale大學の附屬病院であるGrace New Hea-veh Community病院内の1ヵ月の生活は,處がNew Englandであつて,他の地の病院視察が米國病院の斷面を知り得たに對し,かなり新舊の動きを或ところまで認識し得たようで,最も參考になつたと思つている。これらの初めての米國病院の視察旅行によつて,從來私自身考えていた構想に自信を得た問題もあり,又反對に失望せざるを得なかつた點も發見し得た。然しその結論は到つて平凡で,他山の石は確に非常に參考になるものであつて,他人を知れば知る程自分を知ることになるが,結局は自分自身の條件を良く認識して,そこに創意工夫をしなければならないものだということであつた。
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