連載 医療計画・地域医療ビジョンとこれからの病院マネジメント・2
DPC公開データを用いた急性期入院医療の可視化
松田 晋哉
1
1産業医科大学 公衆衛生学教室
pp.644-651
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102841
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■DPC公開データの分析でわかること
平成15(2003)年に特定機能病院等82施設を対象に開始されたDPC(Diagnosis Procedure Combination;診断群分類)制度は,平成24(2012)年には約1,500施設がその対象となり,これに支払いを伴わない施設を加えると実に1,770強の病院がDPCの枠組みでデータを作成している.これは病床数で50万床以上に相当し,患者数ベースで1,039万件のデータが集積されている.これはわが国の一般病院の病院ベースで22.8%,病床ベースで54.7%に相当する.救急医療およびがんの急性期入院医療についてはDPC調査対象施設がその90%以上をカバーしていると推測される.当初,大学病院本院だけであったDPC関連情報の施設ごとの公開は,その後その対象が拡大され,現在は準備病院も含めて厚生労働省の調査に参加している施設全部がその対象となっている.また,調査期間も当初の4か月(7~10月)から通年となっている.
すなわち,これらのデータを用いることでわが国の急性期入院医療の現状が分析できるようになったのである.DPCデータでは施設名がわかっているため,これに住所地をひも付けすることで二次医療圏単位での医療のあり方を検討することが可能である.
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