特集 中小病院は生き残れるか
―【事例 民間病院の戦略】―在宅を支える療養病床の経営戦略―池端病院
池端 幸彦
1,2,3
1医療法人池慶会 池端病院
2日本慢性期医療協会
3福井県医師会
キーワード:
慢性期医療
,
在宅療養支援病院
,
療養病床
,
在宅医療連携拠点
,
地域包括ケア
Keyword:
慢性期医療
,
在宅療養支援病院
,
療養病床
,
在宅医療連携拠点
,
地域包括ケア
pp.215-219
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102478
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■当院での在宅療養支援病院の取り組み
当院は,長寿国日本の中でもトップクラスの長寿県である福井県にあり,その中でもさらに片田舎で高齢化率も高い,福井県越前市南部の「王子保(おうしお)」地区(人口約6500人)にある.1959年,池端医院として開業,1974年に30床の病院を新築し,1989年に私が父から継承し,①信頼され愛される病院,②地域に根差した「かかりつけ病院」,③常に考え学び向上心を持ち続ける病院を院是として,現在も当地区内唯一の医療機関として小規模病院を継続している.病床は1992年の介護力強化病院を経て,現在は全床準完全型の療養病床(医療型19床,介護型11床)を,2010年から在宅療養支援病院,2012年6月からは強化型在宅療養支援病院として運営している(表1,図1).
全床療養型病床でありながら,地区内に他の医療機関がなく患者の年齢層も幅広く,一次救急疾患への対応が必須であった.またある程度の救急機能を維持しつつ在宅療養機能を発揮するために,在介センター,通所リハ・介護,訪問看護・リハ・介護,居宅介護支援等を順次開設し,いわゆる保健・医療・福祉のミニ複合体を形成し,小病院ながら現在職員数は常勤で120人を超える.当初はケアミックスを選択したかったが病床過剰地域のため増床できず,これまで両タイプの療養病床を使い分けることで対応している.
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