連載 病院管理フォーラム 病院とSNS(後編)
SNSの情報発信力
扇子 雅弘
1
1松江赤十字病院
pp.660-662
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102334
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●SNSのメリット・デメリット
松江赤十字病院では2010年9月にブログ,2011年7月にはFacebookとTwitterを次々と導入したが,それ以前はインターネットを利用した広報手段は当然ながらホームページだけであった.ホームページは,数多くの病院情報を集約する役割を担っている.例えば,当院の診療時間や診療科目,診療内容,入院の際に必要なものなど事細かに掲載しており,受診者が知りたいと考える情報を網羅できるように心がけている.医療機関は医療法により広告が規制されているが,インターネットを利用した広報は広告とは見なされていない(一部バナー広告などを除く).ゆえに,今やホームページを持っていない医療機関はほぼ皆無と言えるだろう.
当院のホームページは数多くの情報を(悪く言えば事務的に)掲載しているため,閲覧者に堅いイメージを与えていると考えられるが,かたやブログは柔らかい内容で,当院を身近に感じてもらう役割を持たせている.普段はなかなか見てもらうことができない場所や院内行事をブログを通じて紹介できる.2011年3月11日に発災した東日本大震災の際には当院からもDMAT(災害派遣医療チーム)および救護班を派遣したが,その出動や帰着,現地での状況報告などをブログ上でタイムリーに情報発信し,救護活動の「広報支援」という役割も発揮できた.なお,ブログ開始当初は幹部職員と広報委員会の輪番体制などによる約30人の執筆体制としていたが,現在ではさらに,看護師長と看護係長それぞれ約20人による輪番と,栄養課職員による月1回の連載記事などにより,多職種による総勢70人を超える執筆体制に強化している.
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