特集 終末期における延命医療のあり方
【様々な終末期医療】
終末期リハビリテーションの実際
大田 仁史
1,2
1茨城県立健康プラザ
2茨城県立医療大学
キーワード:
介護期リハ
,
終末期リハ
,
介護困難
,
遺体
,
尊厳
Keyword:
介護期リハ
,
終末期リハ
,
介護困難
,
遺体
,
尊厳
pp.770-773
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102111
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そもそも筆者が終末期リハビリテーションという言葉をつくったのは,リハビリテーション(以下,リハ)医療の流れが急性期─回復期─維持期にとどまり,しかも維持期が非常に曖昧であるため,右肩上がりの風潮の中でリハ医療の切り捨てが起こることを案じ,そうではないという意思表示をしたかったからである.また,最期まで医療や介護にリハの思想や技術がなければ,人は尊厳ある生をとじられない.
しかしその後,若年重度障害者や小児,難病,がん患者等のケアをしている人々から,「終末期」という言葉は自分たちにはそぐわないのではないか,という意見をいただき,それらを勘案して,2010年「介護期リハ」という概念を提唱し,長期間介護を受けざるをえない人々と一線を画することにした.それに関しては,拙著『介護期リハビリテーションのすすめ』(青海社,2010)1)を参考にしてほしい.
介護期リハの提唱に伴い,終末期リハの定義を一部改めた.しかし,実践的な内容は終末期も介護期もほとんど変わらない.本稿では,主に高齢者に関して論じたい.
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