連載 看護学生と若手設計者が考える 理想の病院・6
文化を感じる
竹内 圭佑
1
1株式会社佐藤総合計画 第2設計室
pp.406-407
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101966
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「文化を感じる」病院とは
病院は本来,何か体に異常が起きたら行くところであり,患者さんを元の健康状態で日常生活に復帰させることが最重要機能です.ストレスを最小限にし,短時間で完治させることは病院の1つの理想型です.しかし今回,文化という側面からこれまでにない新しい概念の病院ができないか,そこに行くことで,本来の健康状態に戻るのみならず,患者さんにとって何かプラスになる体験ができる病院があったらいいのではないかと考えました.また,病院は患者さんの治療の場所であると同時に,そこで働く大勢のスタッフの職場でもあります.常に命と隣り合わせの緊張した空間で,訪れる患者さんを治療するだけではなく,日々小さな発見のある病院があったらどうでしょうか.
私たちは「文化」を「ここで生まれる様々な新しい体験とその共有の総体」として捉え,文化を通して利用する1人ひとりが「新しい私」を発見できる病院を提案します.最新医療技術のサポートや高機能の部門連携,高い安全性が求められる今日の病院とは一味違う,そんな理想の病院の提案です.
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