連載 リレーエッセイ 医療の現場から
NPOと企業が取り組んでできること―障害のある人への「スキンケア&メイク講座」から
久島 玲子
pp.319
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101942
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東京・有楽町にある「ハーバーサロン」では,月に1回のペースで「基本のスキンケア&メイク講座」が開催されている.化粧品会社がメイク講座を行うのは特に珍しくないが,この講座がユニークなのは,知的障害や発達障害があり,すでに就労をしている,あるいはこれから就労を目指している人たちを対象にしているところだ.エイブルアート・カンパニーという,アートを通して障害者の自立を支援するNPOとハーバー研究所という企業が協力して行っている.
そもそも,障害のある女性にとって,スキンケアやメイクをするのはとても大変なことなのだ.種類も数も多い化粧品を混乱せずに,手順どおりに使っていくことが苦手な人が多い.また,本人がメイクに興味を抱いても,周囲が「いらない化粧品まで買わされてしまうのではないか」と不安を抱き,化粧品などに触れる機会が少ないのだという.
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