連載 病院管理フォーラム
■院内感染対策―医療監視の立場から・1
院内感染対策―連載開始にあたって
桜山 豊夫
1
1東京都福祉保健局
pp.66-67
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101870
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2010年9月に東京都内のある大学病院が,入院中の多数の患者に多剤耐性アシネトバクターによる感染が起こっていたことを発表しました.いわゆる「院内感染」です.その後,都内の他の病院でも,患者数は少ないものの多剤耐性アシネトバクターによる院内感染が疑われる事例が報告され,また緑膿菌やVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)による比較的患者数の多い院内感染事例なども報告され,院内感染問題が関心を集めました.
病気を治療するはずの病院で,逆に病気になってしまうというようなことがあれば,病院,ひいては医療への信頼が揺らぐことになります.院内感染を予防するためにどのような対策をとればいいのか.既に多くの病院は対策をおとりになっていることと思います.筆者は,公衆衛生行政,なかでも医療行政に携わってきましたので,医療監視を所管してきた立場から,院内感染対策に資するいくつかの点について,何回かに分けて,実例も交えながら概説したいと思います.
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