特集 医療・介護ニューディール
【人員配置と経営収支】
初台リハビリテーション病院
石川 誠
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1医療法人社団 輝生会 初台リハビリテーション病院
キーワード:
回復期リハビリテーション病棟
,
看護職員数
,
病院職員数
,
チームアプローチ
,
スキルミクス
Keyword:
回復期リハビリテーション病棟
,
看護職員数
,
病院職員数
,
チームアプローチ
,
スキルミクス
pp.650-652
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101507
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■回復期リハビリテーション病棟の使命
OECD Health Data2007のG7諸国における病床当たり職員数を見ると,日本の人口1,000人当たりの病床数は,アメリカの4.7倍,イギリスの3.5倍,ドイツの1.5倍であり,日本の病床数が極端に多いことがわかる(表1).一方,100床当たりの医師数はイタリアの7分の1,アメリカの5分の1,ドイツの3分の1,看護職員数ではアメリカの4分の1,ドイツの2分の1,常勤換算の病院職員数はアメリカの5分の1,イタリアの3分の1であり,日本は病床当たりの職員数が極端に少ないことがわかる.また,急性期における在院日数は,アメリカ,カナダ,イタリア,イギリス,フランスの3倍である.このことから,日本は少ない医療従事者で多数の病床を受け持ち,結果的に在院日数の長期化を招いていることがうかがえる.
筆者はリハビリテーション(以下,リハ)医療サービスを提供する立場から,少ない職員で多数の病床を受け持つことが,いかに患者の自立を妨げるか問題視してきた.2000年に診療報酬の特定入院料で創設された回復期リハ病棟は,急性期病院から回復期リハの適応のある患者を迅速に受け入れ,ADLを向上させ,可能な限り在宅復帰を目的とすることを使命としているが,入院患者の大部分がADL要介助で手のかかる患者であり,ADL上は急性期病院より重度例が多いことが特徴となっている.こうした患者の自立支援には,第一に医学的全身管理,意欲向上等の心理的支援,廃用症候群の予防の3点が重要であり,そのうえで機能障害の改善,ADLの向上,さらに在宅復帰に関する専門的アプローチが必要となる.
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