研究と報告【投稿】
電子カルテ実施データを基にした原価計算システム―直課率向上を目指しての試み
牧野 憲一
1
,
後藤 聰
1
,
富安 正典
1
,
国貞 玲
1
,
寺口 大
1
1旭川赤十字病院
キーワード:
原価計算
,
電子カルテ
,
病院情報システム
Keyword:
原価計算
,
電子カルテ
,
病院情報システム
pp.620-623
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101238
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要旨 旭川赤十字病院では電子カルテシステム導入と同時に,物流システム,医事システムを結んで原価計算システムの構築を行った.この原価計算システムの特徴は,電子カルテにある実施データを基にして原価計算を行うことである.今回は,このシステムを利用して配賦によることなく患者に直接計上した費用の割合(以下,直課率)の検討を行った.この旭川赤十字病院原価計算システムにより半年間の症例ごとの原価を計算し,そのデータを基に,医師人件費,薬剤費,診療材料費の直課率を算出した.また,物流システムで把握した,この期間の購入診療材料費から計算した予定値と比較した.このシステムを利用して計算した医師の人件費直課率は半年間の平均で43%,薬剤費直課率は82%,診療材料費直課率も82%であった.このシステムにより,高い診療材料直課率を実現した.
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