特集 変容する患者像―求められるヘルスリテラシー
患者図書室の現況と将来展望―患者が納得して治療が受けられるために
戸津崎 茂雄
1
,
山室 眞知子
2
1京都南病院
2元京都南病院図書室
pp.406-409
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101184
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病院は患者の治療を行うところであり,病院図書室も病院機能の一部門として患者の治療に参加すべきである.今までは,医療従事者に専門情報を提供することによって参加してきたが,これからは,患者にも医学・医療情報を提供する,あるいは病気を持ちつつ生きていく生き方を書籍(文学書や闘病記など)から学べるようにして,患者の治療や闘病生活を支援する病院機能の一端を病院の図書室は担うべきではなかろうか.
課題はある.病院機能の一端としての図書室を考える時,病院図書室の機能・設備を一定のレベル以上に保つ必要がある.しかし医療法では,病院に図書室の設置は規定されておらず,地域医療支援病院と特定機能病院に設置を求めているのみである.また,(財)日本医療機能評価機構による病院機能評価では,図書室機能は医療従事者を対象とした文献検索などの情報提供機能が評価されているに過ぎない.
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