特集 病院におけるIT化の新局面
【医療のIT化 最近の事例集】
患者に渡すCD―IHE PDIや厚生労働省電子的情報交換推進事業(SS-MIX)
木村 通男
1
1浜松医科大学医療情報部
pp.1026-1031
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101078
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従来,紹介などにおける画像の提供はフィルムで行われてきたが,最近は画像標準の浸透とMDCT(マルチスライスCT)の普及に伴い,CDで提供されるケースが増えている.しかし一方で,閲覧に特定ブラウザをインストールする必要があったり,データ形式にブレがあったり,数百スライスあるにもかかわらず,画像が取捨選択されていなかったりと,受け取り側への配慮を欠くケースが増えている.写真は実際連携部に寄せられる画像CDである.手書きのCDを病院ネットワークにつながったHIS(Hospital Information System)端末に入れるのは,勇気が必要であろう.
一方,2006年6月に,厚生労働省(以下,厚労省)医政局から,標準的形式であれば各種書類を電子化して差し支えなく,患者の求めがある場合,診断書と同様に診療情報(画像含む)を提供することで,明記された代金を徴収してもよい,という通知が出た.これに続き,もともと静岡県版電子カルテとして開発されてきた電子紹介状・患者への診療情報提供のサブシステムが改良されて,厚生労働省電子的診療情報交換推進事業(SS-MIX)として全国で利用できることとなった.
本稿では,患者への情報提供のあり方について私見を述べるとともに,上記の推進事業について概説する.
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