特集 派遣は人材確保に役立つか
人材派遣業界からみた医療分野
橘 敏幸
1
,
高木 慎介
2
Toshiyuki Tachibana
1
,
Shinsuke Takagi
2
1マンパワー・ジャパン株式会社メディカルパワー・東京支店
2マンパワー・ジャパン株式会社マーケティング本部
pp.980-983
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100932
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■人材派遣の歩み
はじめに,人材派遣の歩みについて紹介したい.人材派遣の誕生は1940年代,秘書の急病に悩まされた米国の弁護士(後のマンパワー社の創始者)が考案したサービスとされ,1966年には世界で7か国目の拠点としてマンパワー・ジャパン(株)を設立,日本の人材派遣の歴史が始まった.1986年7月,三者間(派遣元・派遣先・労働者)での雇用概念を規定した労働者派遣法が施行され,これを機に日本における人材派遣は本格化した.施行当初は,適用対象業務(人材派遣が可能な業務)は13業務のみであったが,1996年に適用対象業務が26業務に拡大,1999年には港湾運送・建築・警備・医療を除く全業務が原則対象となり,2000年に紹介予定派遣解禁,今年の3月の法改正により物の製造業務の派遣解禁,そして医療分野における紹介予定派遣が解禁となった.
そもそも人材派遣は,緊急の事態に対処する人材サービスの提供という位置付けから「テンポラリー・ワーク・サービス(TWS)」と呼ばれていたが,労働環境の変化や雇用形態の多様化に伴い,ニーズが拡大し,今ではジャストインタイムの人材供給サービスとして認知されている.これまで事務職が中心であった派遣職種についても年々拡大が続いており,営業職や販売職など企業のコアとなる業務を派遣スタッフに任せるケースも増加しつつある.
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