連載 病院管理フォーラム
事務長の病院マネジメントの課題 急性期病院の立場から・27
全館禁煙への取り組み
中嶋 照夫
1
Teruo Nakajima
1
1特定医療法人社団松愛会松田病院
pp.508-511
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100840
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●禁煙への潮流
平成15年5月1日に「健康増進法」が施行されたことにより,その第25条に定められた「受動喫煙の防止」条項によって,嫌煙派は喜び,そして愛煙家の肩身は一気に狭まってしまったようだ.そこで,病院における全面禁煙への取り組みについて特定医療法人社団松愛会松田病院での苦労の一端を述べたい.なお筆者自身は,過去最盛期には1日に60本を煙にしてしまうチェインスモーカーだったことから,愛煙・嫌煙両者の気持ちがよく理解できる.ただし禁煙期間は既に22年目を迎えているので,現在は完全な嫌煙派の一員である.
健康増進法に定める受動喫煙の防止条項では,公共機関や医療機関のみならず人が集うすべての場所をその規制対象としている.それはパチンコ屋さんも,飲み屋さんも,そしてラーメン屋さんも然りである.この辺がまだ十分には国民に周知されてなく,今後の課題だと認識される.しかし最近驚きをもって知ることになったのは,わが居住地の新設ラーメン店で「健康増進法の規定により店内全面禁煙」とする,勇気ある経営者が現れたことである.
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