グラフ
弱者に優しい医療を提供するために コアミッションと健全経営を追求する―医療法人伯鳳会 赤穂中央病院
pp.185-190
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100777
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
赤穂中央病院は昭和37(1962)年に,診療所として開設された.同院は,人口5万人強の赤穂市にあって常に地域住民のための医療を展開し,地域住民からは身近な病院として認知されてきた.開設以来,患者増・収入増,設備投資と着実に成長していた同院は,安定経営と思われていたが,気がつかないうちに借入金が膨らみ,平成9(1997)年から2年間,経営は危機的状態に陥っていた.1999年に古城資久理事長は創業者である父親から経営を引き継いだ.抜本的な改革を余儀なくされた状態であったが,診療内容にその原因はなかった.「赤字経営になったのは,しっかりとした財務管理ができていなかったため.まずは経営理念の確立と徹底した経営情報の公開によって,職員全員に経営状況と目標を自覚してもらうことから始めました」と古城理事長は当時を振り返る.
経営改善に動き出してからわずか1年で経営は黒字に転じ,2001年,父親の死去に伴い古城理事長は現職に就任.その後は,回復期リハビリテーション病棟の認可や地域リハビリテーション広域支援センター認定,臨床研修指定病院の認可,急性期入院加算算定,ISO14001の認証取得,赤穂中央クリニックの新設,電子カルテの導入,人事考課システム,さらに今年1月には,医療福祉経営審査機構による格付け評価(結果は「BBB+」),本年4月からはDPC施行病院としてスタートを切る,など積極的経営を展開し,さらなる患者サービスと職員のインセンティブ向上に努めている.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.