特集 公私の役割分担とイコール・フッティング
【事例】公私の役割分担とイコール・フッティング
自治体病院を民間(特定医療法人)に管理委託するモデルケース―公立新小浜病院(旧 国立小浜病院)
長 隆
1
Takashi Osa
1
1東日本税理士法人
pp.145-147
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100766
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■はじめに―イコール・フッティングについて
公私病院の役割分担の明確化は,国民が病院に求めている良質・安心・信頼そして安くて速い医療の実現のために非常に重要である.問題の根源を確認し,解決への指針となるであろう公立新小浜病院の先例をご紹介する.
まず公私の役割分担を論ずる前に,公的病院の機能分担がほとんど手付かずの状態で温存されており,その解決の道筋が見えないことを指摘したい.市町村合併が強力に進められている中,合併後の同一市町の中に同種同規模の自治体病院が存在することとなるケースも多いが,統廃合について,合併協議会の土俵に乗せることさえできない.機能分担,統廃合は総論では反対する人はいないが,わが町の病院は残したいという声に押されて,火種を残したままの見切り発車となっている.平成7年から9年間,総務省の地方公営企業(病院)の経営アドバイザーとして,全国各地の自治体病院を訪ねた筆者の偽らざる感想である.
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