レポート
医療消費者が自ら使う電子カルテ―「マイ電子カルテ」
大櫛 陽一
1
,
原 寿夫
2
,
遠藤 郁夫
3
,
田代 祐基
4
,
大島 譲二
5
,
野原 吉孝
6
1東海大学医学部
2福島県医師会
3小田原医師会
4熊本県医師会
5埼玉県医師会
6株式会社ポテト
pp.938-941
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100731
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
医療機関での電子カルテは,医療機関の新設やリニューアルに合わせて導入されることが多くなってきた.しかし,医療消費者が自ら使用できる電子カルテがなかった.実は医療消費者こそ電子カルテが必要である.癌を含む生活習慣病では,その予防のために生涯にわたる健康データの蓄積が重要である.これはPersonal Health Database(PHD)と呼ばれている.本人がPHDを家庭で参照できて,ライフスタイル変容のトリガーとなり,その効果を実感できることが必要である.
また,高齢化社会では本人のQOLの向上と,医療の効率化のために地域医療が重要である.地域医療を効果的に行うには,医療情報の共有が必要である.医療画像を含む大量の情報の共有には電子メディアが適している.しかも,本人が携帯して管理することは,セキュリティ対策のみならず,本人の意識改革にもつながる.
われわれは,1986年から健康カードによるPHDを開発している.当時は,医療画像も記録できる携帯メディアとして光カードを用いていた1).最近になって,スマートメディア,SDカード,メモリースティックなど多種類の携帯電子メディアがディジタルカメラや携帯電話に使われるようになってきた.今回,これらのどのメディアでも可能なカード型PHD,すなわち医療消費者向け電子カルテ―「マイ電子カルテ」を開発した.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.