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扉
電子カルテ
Editorial Note
山田 和雄
1
Kazuo YAMADA
1
1名古屋市立大学脳神経外科
pp.347-348
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100197
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- Abstract 文献概要
私の勤務する大学病院は2年前,新病院に移転したが,このとき完全な電子カルテ化が行われた.これは診療録や画像はもちろん,看護記録,手術部,ICU,分娩部などほとんどすべての医療情報を電子化するものであった.私はこのプロジェクトの開発責任者を命じられ,計画の立案段階から,仕様書作成,プログラミング,リハーサル,稼働初期の経験を経て,安定稼働に至る現在まで,電子カルテのすべてを経験してきた.ここではその詳細を述べるつもりはない.むしろ電子カルテの開発を通じて見えてきた大学病院の人間模様を紹介したい.
われわれの電子カルテ基本設計書は1999年3月に,詳細設計書は2000年3月に完成した.ちょうどこの時,旧厚生省から「診療録等の電子媒体による保存についての通知(1999年4月22日)」が出され,真正性,見読性,保存性が満たされれば診療録を電子媒体のみで保存することが認められ,開発に大きな追い風となった.しかし詳細設計書を作成した当時,国内で完全な電子カルテ運用をしているところはほとんどなく,特に各科の独自性が高い大学病院で電子カルテを運用しているところはなかった.したがって詳細設計書が完成してから3年半の間に,設計書をもとに独自のプログラムを開発するという手法でプロジェクトを進めた.
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