連載 病院管理フォーラム
事務長の病院マネジメントの課題 急性期病院の立場から・17
地域における急性期病院として,機能特化の課題
佐合 茂樹
1
1特定医療法人厚生会木沢記念病院総合企画部
pp.678-680
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100667
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病院の転換期
医療法人厚生会木沢記念病院は,岐阜県美濃加茂市に位置し,中濃地域を中心とした近郊の2市2郡,人口約20万人を医療圏とする地域の中核病院である.一般病床452床(うち,ICU10床)の急性期型病院であり,標榜診療科は16科,職員数は医師47名,看護師280名,その他職員を含めた職員総数は556名である(平成15年4月現在).昭和28年の病院開設以来,常に地域ニーズを把握して病院機能を充実させてきた経緯があり,病院の歴史は典型的な地方の旧総合病院としての機能拡充と成長の軌跡としてとらえることができる.
近年,病院運営の鍵を握る視点として「方向性の意思決定」が緊急的な課題として受け止められている.地域の中で自院の機能をどのように特化するかは,まさに事業体としての存亡にかかる重要事項といっても過言ではない.しかし,社会的な趨勢は別として,個々の病院を取り巻く環境は異なっている.人口動態や年齢構造,診療圏内の医療供給体制,建物構造設備,さらには経営者の思い入れといったことも絡んで,方向性の意思決定は第三者が想像する以上に複雑である.
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