特集 変革に立ち向かう病院―病床削減と人材難に対処する
【今後の医療提供体制の再整備に向けた課題】 看護師需給施策
小野 太一
1
1厚生労働省医政局看護課
pp.298-300
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100521
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「看護師需給対策」について,というお題をいただいているが,これについては短期的,中長期的両方の視野で考えていく課題であると認識している.
いわゆる「7対1」について
短期的な議論としては,いわゆる7対1入院基本料をめぐる問題が挙げられる.ご存じの通り,平成18年度診療報酬改定において新設した7対1入院基本料の影響については,中央社会保険医療協議会(中医協)で,昨年11月29日以降集中的に議論を行ってきたところである.これは急性期医療の看護体制に対し評価を充実する趣旨で設けられたものであるが,7対1入院基本料を採るために各病院が看護師確保に尽力し,結果として一部において看護師不足の事態が起きてしまっているのではないか,という課題である.
これについては,実態把握のため,7対1入院基本料の届出状況や,国立大学病院等大規模病院,公的医療機関における新卒者の採用動向,看護師養成所卒業予定者の就職内定状況に関する調査を行うとともに,日本医師会,全国自治体病院協議会,日本看護協会にからもそれぞれ需給に関する調査結果を提出され,客観的データに基づく議論が行われたところである.
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