特集 介護保険施設と医療のあり方
【事例】医療施設と介護施設のかかわり 特別・特定医療法人愛仁会の場合
根岸 宏邦
1
,
坪 茂典
1
1特別・特定医療法人愛仁会
pp.136-138
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100486
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平成24年に介護療養病床が廃止となることに伴い,療養病床の再編成計画が当局により策定されている.それによると,現行の医療療養病床25万床と介護療養病床13万床の計38万床を医療療養病床15万床に縮小し,削減された23万床については老人保健施設15~17万床へと転換を図り,その中には,医療機能強化の老健も検討するということである.その他の転換先としては,ケアハウス,特別養護老人ホーム,有料老人ホーム,グループホームなど6万~8万床も視野に入れている.
このような療養病床の削減は,現在入院中の患者の多くが,かなりの程度医療を受けているという現実(介護型と医療型とで受けている医療程度に差がないと言われている)を踏まえると,そこに医療難民,介護難民が発生してくるのではないかと危惧されている.しかしいずれにしろ,近年老人保健施設の利用者数は増加傾向にあり,平成13年と17年を比較したデータによると,介護療養型医療施設の利用者数が 11.5 %の増加に対して,老健施設の利用者数は23万6千人から29万2千人と23.6%も増加している1).このような状況の中で,老健施設における医療のあり方の問題,言い換えるならば医療施設との連携の問題は重要性を帯びてくる.
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