特集 医療のパフォーマンス評価
ベンチマーク分析による DPC の医療評価―社会保険病院における調査研究
秦 温信
1
1札幌社会保険総合病院
pp.560-563
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100334
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ベンチマーク分析とは,病院経営に関わる指標を類似の病院群と客観的に比較して強み・弱みを把握する実証的分析法である1).われわれは,全国社会保険協会連合会(全社連)の定点観測システムのデータを用いベンチマーク分析の手法によって医療の質,経営効率,コストなどの病院経営パフォーマンスに関わる指標を算定し,社会保険病院間および他の類似の病院群と実証的に比較検討してきた2).2000年にDPC(Diagnosis Procedure Combination)と呼ばれる診断群分類別包括払い制度が導入され,さらに2004年からは25社会保険病院も試行的適用対象病院として参加している.平成16年度全社連共同研究(特定課題)として,「全社連定点観測システムのデータを用いてDPCの評価についての調査研究」*および「社会保険病院におけるDPCに関する調査研究」**の二つの共同研究が行われた.ここでは主として,前者における成果の一端を述べる.これは社会保険病院のうち研究班5病院を含むDPC試行的適用対象25病院を調査対象とし,疾病別・手術別ベンチマーク分析を行うものである.比較対照としては,日本国内の急性期病院群のデータを用いて,これとも比較を行い,経営課題を明らかにするとともに,それによりDPC導入における経営改善および標準的治療の立案について考察しようとしたものである.
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