第6回日本理学療法士学会・第5回日本作業療法士協会学会から
OT教育を考える
鎌倉 矩子
1
1東大医学部付属病院リハビリテーション部
pp.73-76
発行日 1972年2月9日
Published Date 1972/2/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104194
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はじめに
理学療法士・作業療法士法が施行されてすでに6年がすぎた,OTやPTの深刻な不足,これらの職種がはたして専門職たりえてているかとの疑問,リハビリテーション医療の普及をはばむさまざまな要因――われわれをとりまく現状はひどく厳しい.しかし,これらのことを論議しはじめれば,きまってだれかがつぶやくものだ.‘結局は,教育をよくしなければならないのだ’と.
さる5月2日のOT学会で,OT教育が討論会のテーマの1つとしてとりあげられたのは,そうした背景によるものだと私は思う.多かれ少なかれ,一種の危機感をもって,人々は,あの討論会に集まったのではなかろうか.
以下に述べるのは,当日の討論からの私なりの要約である.3時間にわたった討論会は,一種のシンポジウムの形をとった.シンポジストは,下記の6名である(発言順,以下敬称略).
マリリン・寺田
府中リハビリテーション学院OT部教官.
山岸純子
神奈川県厚生指導所勤務.作業療法士.
高田幸
福間病院(精神科)に2年間勤務した経験より発言.作業療法士.
米倉豊子
九州労災病院勤務.作業療法士.
時武治雄
中宮病院(精神科)勤務.作業療法士.
寺山久美子
東京都心身障害者福祉センター勤務.作業療法士.
五味重春
府中リハビリテーション学院院長,医師.
司会は筆者があたった.学会準備委員側の担当者は横田和子,宮前珠子の両氏であったが,OT教育といっても範囲が広いので,学校教育に焦点をあわせよう,ということになっていた.
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