クリニカル・ヒント
理学療法におけるマッサージ
沖 廣剛
1
1近森病院
pp.688
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103885
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1.初めに
可動域制限のある関節に,いわゆるROM exerciseを行う場合,制限のある方向への徒手による伸張や,機械器具を用いての持続的な伸張が行われている.この方法の原則は,痛みの無い範囲で行うとされているが,それでは効果が不充分であることは臨床上経験することである.
しかし,近年Joint MobilizationやManual Therapyが日本に紹介されると,“短くなっているから伸ばす”という発想で可動域の改善に取り組んでいた私にとっては一つ一つの方法が目新しく斬新であった.そのなかでもカルチャーショックとでも言えるほどの衝撃を受けたのは,マッサージを治療体系に組み込み,重きを置いていることであった.
以来我々はマッサージを積極的に取り入れることにより,従来の伸張によるROM exerciseでは得られなかった効果をあげるようになった.
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