Japanese
English
講座
歩行(基礎から臨床まで) 2.歩行の神経機構
Gait-From Basic Studies to Clinical Assessment. 2. Neural Mechanisms for Initiation and Control of Locomotion
有働 正夫
1
Masao UDO
1
1大阪大学健康体育部
1Faculty of Health and Sport Sciences, Osaka University.
pp.272-278
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103548
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
歩行の神経機構には,大別して2つの問題がある.第1は,歩行の開始および停止に関わる機構であり,第2は,歩行開始後に,継続的に運動を遂行する機構である.この2つの機能は,歩行機能の上で相互に密接に関連しているので,神経機構の上でも密接に関連していると想像するのが自然であろう.しかし,従来の歩行の神経機構の研究においては,2つの機構それぞれを別々の研究グループが取扱った場合が多かったこともあって,2つの機構がそれぞれ別の視野に立って論ぜられることが多かった.そのため,2つの機構の「相互関連」を担う神経機構を明らかにする努力が今後に残されていると考えられる.このような従来の経過を念頭に置いて,本稿では,2つの機構それぞれについての研究の現状を説明し,両者の相互関連について考察を加えることにする.本稿は講座「歩行(基礎から臨床まで)」の基礎編に属するので,四足動物からえられた知見が主になることを予め御了承頂きたいと思う.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.