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講座
薬物療法の基礎知識 4.小児―特に肢体不自由児施設入園児について
Introduction to Drug Therapy. 4. Basic Drug Therapy for the Children at Rehabilitation Centre for Physically Handicapped Children
鈴木 恒彦
1
,
高木 徳郎
2
Tsunehiko SUZUKI
1
,
Tokuro TAKAGI
2
1宮城県整肢拓桃園
2光ヶ丘スベイルマン病院
1Seishitakutohen; Miyagi Pref. Rehabilitation Centre for Crippled Children.
2Hikarigaoka-Spellman Hospital.
pp.761-767
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102967
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はじめに
小児のリハビリテーションの主要対象疾患は,この20年の間に著明な変化を示し,特にその実践の最前線となった肢体不自由児施設で近年扱われている疾患の約60%以上が,脳性麻痺(以下CP)を主とする脳障害児であることはよく知られている1).現在,彼らに対する治療プログラムの主流を占める訓練は別格として,従来から行われている整形外科的手術や補装具と並んで,薬物療法もその包括的治療プログラムの中での役割は少なくない.特に最近のCP早期治療は,従来見慣れていた典型的CP病態像(痙直型やアテトーゼ型の純粋運動麻痺)の肢体不自由児ではない,広い意味で微細脳損傷症候群(MBD)に近いと思われるようなminimal CPのグループを増加させ,他方では種々の奇型,難治性のてんかん,視覚聴覚障害,精薄などを伴った重症児(重複障害児)をより浮きぼりにしたといえよう2).それに伴い小児リハビリにおける薬物療法の範囲は,運動機能障害のみならず児童精神科に属すると思われる種々の適応障害児から摂食すらできない寝たきりの重症児まで,対象障害のスペクトルが広がったといえよう.
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