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プライマリ・ケアの日本における現状
本吉 鼎三
1
1日本プライマリ・ケア学会
pp.33
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102776
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意識から実践へ:1970年代,わが国の医療は経済成長と技術革新を背景に,加速度的に専門化し,細分化し,高度化を遂げた.それは一時的には救命・不死のバラ色の幻想を国民に与えた.しかし,やがて病理解剖的,臓器別的な診断・治療が優先し,「病を診て,人を見ない」陥穽におち入り,人間性喪失や医原性疾患などの社会的指弾を受けるに至った.プライマリ・ケアは,このような現代医療,とくにその供給体制についての矛盾と反省のなかから,新しい保健・医療概念として生まれて来たのである.
そして,日本プライマリ・ケア学会長渡辺淳の言を借りれば,「プライマリ・ケアは保健・医療・福祉を総合する社会事業大系である」との次元にまで高められてきている.
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