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特集 産婦人科と理学療法・作業療法
産前・産後の理学療法プログラム
Physical Therapy Program in Pre- and Postnatal Periods
松瀬 多計久
1
Takehisa MATSUSE
1
1北里大学病院
1Kitasato University Hospital.
pp.833-837
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102047
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はじめに
医学的リハビリテーション分野の中で,理学療法の業務の多様性は,現在に至りその内容の拡大と共に我々理学療法士にとって大なる課題である.急性期から開始されるべき早期リハビリテーションの一連の過程は,胸部諸疾患からいわゆる運動器疾患の機能回復訓練と,その日常生活動作へのかかる順応を図るものである.
今回のこの特集は,我々にとってもう一つ理学療法業務の拡大,多様性について新たに再検討と学習する事になる.
“産前・産後の理学療法”はまず,我々の考察からすれば,それは,“妊産婦体操”=“自然無痛分娩”と解釈をするものらしい.ところがその目的とするものは双方に相異がある事である.妊産婦体操の歴史的な過程からみて,生理的変化による筋肉や内臓の機能低下を予防あるいは調節するという事と,一方では精神的予防にかかわる無痛分娩への配慮であった.そして長い研究考察のもとで,現在では,生理的かつ精神的な両面からのアプローチがなされている.その内容は産前,分娩時,産後に役立つ呼吸法あるいはリラクセーションそして日常生活への早期順応まで含まれている.つまり出産準備教育と機能訓練を主体にしたものが妊産婦体操の骨子と言える.お産に対する心と体の準備は,①ストレスの回避,②神経筋調節,③産後早期日常生活への順応を図る,である.
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