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特集 産婦人科と理学療法・作業療法
産婦人科領域に必要な理学療法
Physiotherapy in Obstetrics and Gynecology
松本 清一
1
Seiichi MATSUMOTO
1
1自治医科大学産婦人科
1Jichi Medical School.
pp.827-832
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102046
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はじめに
産婦人科領域で理学療法を必要とする分野として,第1に妊産婦のリハビリテーションがある.妊娠や分娩は正常な健康人の経験する生理的現象であるが,身体には種々の複雑な変化が起こる.分娩をひかえて妊娠中に起ってくるこれらの全身の変化によく適応して,筋肉や内臓諸器官の機能が減弱するのを防ぎ,分娩に対する心と身体の準備を行うことが,妊娠や分娩の経過を円滑にし,異常の発来を予防するために大切なのである.また産褥期には母体のすみやかな回復を促し,育児が完全にできるようにするためにリハビリテーションが行われなければならない.その他,婦人科領域でも,慢性疾患や手術後の日常生活への復帰がある.
第2には治療医学の分野で,ほかに適切な治療法がないか,あるいはあっても理学療法の補助が必要であるか,または理学療法のほうが有効のような場合もある.たとえば妊娠中の腰痛や月経痛などに運動療法が行われたり,慢性の骨盤内炎症に超短波療法が用いられたりする.
以下種々の理学療法が産婦人科領域のどのような分野で,どのような目的のために用いられているかを述べる.
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