本の紹介
「感覚統合と学習障害」―A.J. Ayres著,宮前珠子・鎌倉矩子訳/「Manual on Management of the Quadriplegic Upper Extremity-Using available modular splint and arm support systems」―Maude H. Malick, OTR・ Christa M.H. Meyer, Dip. OT, OTR著
山田 孝
1
,
寺山 久美子
2
1東京都立府中リハビリテーション学院
2東京都心身障害者福祉センター
pp.1052
発行日 1978年12月15日
Published Date 1978/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101794
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近年,感覚統合という考え方,評価および訓練法が作業療法という専門職の中に広まってきている.これはこの本の著者Ayresが神経学に基礎をおき,Roodや第Bobathなどの考え方を取り入れ,作業療法独自のアプローチとして完成させたものである.アメリカ作業療法協会の中でも,この数年でこの考え方が確立し,身障部門,精神部門,小児部門などと並んで感覚統合部門という独自の分野を形成した.その考え方の特徴は,主に学習障害ということを出発点としたために,脳の中でも比較的原始レベルに近いとされている脳幹の機能を重視しており,基本的仮説として,行動科学においてはすでに否定されている「個体発生は系統発生をくり返す」という反復説で高次精神活動を考えようとしていることである.
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