特集 運動療法
<随想>
運動学と作業療法
田川 義勝
1
1九州リハビリテーション大学校作業療法学部
pp.920
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101353
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我々の用いる運動学(Kinesiology)とは運動に関する人体生理と解剖の相互関係を研究する科学である.身体運動障害に対するリハビリテーション医学を遂行させるためには必要不可欠な分野である.運動学を理解するためには解剖,生理学のみにとどまらず,力学,生物学,生化学など非常に多くの分野が関連してくることは言うまでもない.生体の運動は一般の物理系の運動とは甚だ系列の異なった運動を示し,究明されていない部分も数多い.現在作業療法教育プログラムでは卒業まで延べ90時間の運動学講座が組み込まれており,この学問の重要性がいかに問われているか理解できるであろう.身体障害に対する作業療法学の理論とは,医学的分野の理解と活動(Activity)の活用ということになると思うが,この医学的分野には解剖学,生理学,運動学,心理学,神経学あるいは一般臨床医学,また運動療法学などといったものが含まれる.
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