Japanese
English
精神科作業療法の展開
OT部門におけるD.C.の1症例(Ⅰ)
A case from a Day Care patient
時武 治雄
1
Haruo TOKITAKE
1
1大阪府立中宮病院
pp.315-318
発行日 1975年5月15日
Published Date 1975/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101012
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Ⅰ.はじめに
わが国において,デイケア,又はデイホスピタルの言葉が入ってきたのは近年になってからであり,具体的な実践も極めて乏しいと云える.
精神科リハビリテーション(加藤正明による)の中に,1927年ハリコフはデイホスピタルの利点を次のようにあげている.
1)治療中に患者と家族の接触ができる.
2)病院への依存関係からの脱却
3)費用の節約.
4)外来治療の枠を拡げた.
以上の4点を述べている.わが国においても38年から国立精神衛生研究所でデイケアセンターを開設し,後程,その効用と限界についてくわしく報告している.(加藤正明らによる)
当院では47年7月より作業療法部門にデイケアを新しくもうけた.(以下デイケアはD.C)
近年,特に精神科作業療法は,使役云々,治療などとは云々と種々問題をかかえており.確に混沌とした状況の中ではあるが,D.C患者の援助を1年6カ月実施してきた現在,その一例をまとめてみた.
どの施設でも多かれ少かれD.C患者の援助を行っているところは多いと思われるが,今後も,D.C患者は増加していくのでないかと推測されるので,この際ささやかな1症例を報告し仲間で考え台っていきたいと思う.
尚,本症例をまとめるにいつては,主治医(外来)←→患者←→OTRとの関係が主となっており,D.Cの窓口であった筆者がまとめた.
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