特集 第8回PT学会・第7回OT学会
理学療法士の壁―わが国におけるリハビリテーションの流れ(第8回日本理学療法士学会シンポジウム)
浅野 達雄
1
Tatsuo SANO
1
1大阪大学医学部整形外科,リハビリテーション部
pp.863-867
発行日 1973年12月15日
Published Date 1973/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100740
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昭和48年4月15日,大阪大学松下大講堂における第8回日本理学療法士学会におき,シンポジウム「理学療法士の壁―わが国におけるリハビリテーションの流れの中で―」が座長に荻島秀男先生をお願いして行なわれた.
まず大阪士会の学術部員一同が「理学療法士の壁」をテーマとした理由は次のようなものである.近年わが国のリハビリテーション医学や制度が進歩していることは喜ばしいことであるが,世界に目を向けて比較すれば,まだ1年生という初歩的段階をスタートしたにすぎない.文化の発達や自然環境の破壊によって子供達の体力は弱化し,屋外で走り廻る所も少ない.栄養過多,運動不足の状態で成長している.また産業の発達は公害を発生し,労働災害や交通事故による身体障害者は年々増加の一途をたどりつつある.老人達は核家族化してきた若い世代から追い出され,世話する人もなく人生の終着も淋しい限りである.
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