鏡下咡語
メニエール氏病,耳硬化症を自己免疫疾患とする発想
熊沢 忠躬
1
1関西医科大学
pp.454-455
発行日 1983年6月20日
Published Date 1983/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209622
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話は飛躍するが,鮎釣りといえ得ば,日本中どこでも古来より伝わる"鮎の友釣り"がもっぱら行われている。これは鮎の専守備攻撃の習性を巧みに利用した日本独特のユニークな技法といえ得る。その反面,水ごけだけを食している鮎の餌釣りは不可能と考えられていた。ところが先般,高知県安芸市を訪れて驚くべき事実を知った。ここではもっぱら"しらずの塩を水で抜いてばらまき,これで鮎を集め,比較的大きなしらすを餌にする餌釣りを行って友釣り以上釣果をあげているとのことである。
この発見者が誰かは知らないけれど,この発想の根拠は,恐らく,「鮎は稚魚時代は海ですごす。その間"しらす"などを常食とし成長したであろう。成育期になって遡上し,歯は退化し水ごけを食していても,稚魚時代にとった"しらずの味は記憶に残っていて,しらすを見ると忽然とその記憶がよみがえってくるに違いない」ということであろうと想像してみた。
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